レジが無いお店、Amazon Go(アマゾン・ゴー)に行って実際に買い物をして来ました。Amazon Goは、店内にレジも支払いも無い、キャッシュレスのお店です。
入店方法から実際の支払いまで、Amazon Goがどのようなお店なのかご紹介致します。
Amazon Goとは?
Amazon Goは、日本でも有名なあのAmazonが運営している実際の店舗です。
それも、普通の店舗ではなく、レジの担当者が居ないどころか、レジそのものがありません。
レジが無いといっても、自動販売機や日本の田舎にある無人販売のようなものではなく、いわゆるハイテクによってレジを無くした店舗です。
日本国内にAmazon Goはまだ1店舗もなく、この記事執筆時でアメリカのシアトルに3店舗、シカゴに2店舗の、計5店舗があるだけです。
シアトルのAmazon go 1号店
私が利用したのは、シアトル・7thストリートにあるAmazon Goの1号店。
シアトルまではANAとデルタ航空で直行便が飛んでいます。
JALは、2019年3月から直行便が就航します。
シアトルにはAmazonの本社があります。
しかし、Amzonはシアトル中心部の数十の(高層)ビルに分散して入居しているため、どれが本当の本社なのか地元の人でも分からない模様。
Amazonが入居しているビルの地図を見ましたが、シアトル中心部の多くのビルが、Amazonのオレンジ色に染まっていました。
Amazon Goの入店に必要なもの
レジを無くしている = キャッシュレスなので、普通のお店のように現金があれば買い物が出来る訳ではありません。
Amazon Goに入店するためには、以下の条件を満たす必要があります。
- スマートフォンに、Amazon Goのアプリが入っていること
- Amazon.comのアカウントがあること
最初に、Amazon Goのアプリをスマートフォンにインストールする必要があります。
Amazon Goの前には、入店のためにアプリを入れるよう看板も出ています。
iPhoneであればApp Store、アンドロイドであればGoogle PlayからAmazon Goアプリを検索してインストールしてもOKです。
私のスマートフォンには既に、
- Amazonショッピングアプリ
- Amazon Kindle
- Amazon Prime Now
- Amazon Prime Video
- Amazon Music
- Amazon Photo
がインストールされていますが、さらにAmazon関係のアプリが入ることになりました。
Amazonのサービスは、私のスマホの容量を次々と奪っていきます(笑)
このブログをご覧になっている方も同じかも知れませんが、Amazonは生活の一部です。
アプリにログインする
Amazon Goアプリをインストール後、アカウントでログインする必要がありますが、日本のAmazon.co.jpのアカウントではログインできません。
知らないと、ここでハマります。
Amazon.com のアカウントが必要
Amazon Goアプリを、アメリカのAmazon Goで使うためには、Amazon.comのアカウントが必要になります。
私は、Amazon.comのアカウントが無かったため、新しくアカウントを作りました。
Amazon.comのアカウントを有効にするためには支払いのためのクレジットカードが必要です。
このブログをご覧になっている方は、クレジットカードの有無に関しては問題無いでしょうから、好きなクレジットカードを登録すればOKです。
陸マイラーに人気のSPG Amexでもよし
日本円での実質支払いを減らすために、ソニー銀行のデビットカードでも良し
アカウントの作成が問題無く済んだら、Amazon Goアプリからログインします。
Amazon Goアプリに表示されるコードで入店
Amazon Goアプリにログインすると、下のようなコードが画面に表示されます。
QRコードに似ていますが違います。これはAZTECコードと言います。
QRコードの場合、コードの隅に□(四角)の表示がありますが、Aztecコードは□が中央にあります。
画像で示したAZTECコードはダミーです。悪しからず。
このAZTECコードをスマホに表示させた状態で、駅の自動改札のようなゲートにAZTECコードを読み込ませると店内に入れます。
読み取りは一瞬。アクリルの扉が開いて、中に入れます。
買い物の方法
Amazon Goの店内に入ったあと、買い物の方法は、
- 好きなものを選ぶ
- 店から出る
たったこれだけです。
日本のスーパーで最近増えているセルフレジのように、商品のバーコードを読ませる必要はありません。商品には、ユニクロの商品のようにICタグが付いていることもありません。
帰りにゲートを通る時は、店員さんに声をかける必要も、スマホのAZTECコードを読ませる必要もありません。
簡単すぎて、逆に困惑してしまうほどです。
店から出ると、購入した商品リストがアプリの画面に写真付きで表示され、Amazon.comのアカウントから清算されます。
Amazon Go店内の様子
Amazon Go 1号店は、1,800平方フィート(約167平方メートル)と発表されていますが、細長いためなのかもう少し狭く感じました。
売場面積ではなく、調理室を含んだ店舗面積なのかも知れません。
これは、サンドイッチなどの食品コーナー。ご覧のようにたくさん並んでいました。
実際に手に取ると、仮想カートに商品が入ります。(仮想カートは目には見えません)
「やっぱりやめた」と、その商品を棚に戻すと仮想カートから商品が削除されるということを、中のシステムで行っているそうです。
ミルクなどの飲み物コーナー。飲み物の容器が大きい。
Amazon goオリジナルマグカップ。
欲しかったですが、陶器なので帰国の時に割れたら困るのと重いのでやめました。
ちなみに、シアトルにはスターバックス1号店があり、1号店でしか買えないグッズがあり人気のようです。
Amazon Goはレジが無いだけで、無人店舗ではありません。商品の陳列を行なったり、店内に並べる食べ物を作るスタッフさんが居ます。
写真はビールやワインなどのアルコールコーナーで、右のオレンジ色のTシャツを着ている方が、商品の補充をしている店員さんです。
店内には棚や天井には、カメラや各種センサーが設置されています。
といっても、それほど注意して見ていなかったので、それらが多いことは気になりませんでした。
入り口があるストリート沿にはイートインのスペースがあり、5つほどイスが並んでいました。(写真撮り忘れました)
買い物終わり。商品を持って外に出る
好きなものを選んだら、そのままゲートを通って外に出ます。
写真のように、ゲートにはAZTECコードを読み取るスキャナ装置さえありません。
店を出る時は、「本当にこれで合ってる?万引きにならない?」と、不安になるくらい。
顔認識などで、店を出たことを管理しているのではないでしょうか。
今回は軽食を買ってイートインで食べました。
サンドイッチは普通の物でしたが、包んでいるプラスチックの袋が、妙にカサカサという音がします。
Amazon goでは、センサーの1つとしてマイクを使っているようなので、その関係なのかも知れないと思いました。
食べ物系は、棚でガンガンに冷やされており、食べ物が冷たかったです。
イートインのスペースには電子レンジもあり、温めることができます。
Amazon Goアプリに反映
食事してしばらくすると、Amazonアプリのreceiptsの所に、購入した商品の写真と値段が表示されました。
全て合っています。過不足なし。
ただ、receiptsの場所は、pending chargesとなっており、保留状態です。
ちなみに、店内の滞在時間も表示され、今回の場合、7分6秒の滞在でした。
食事が終わっても、相変わらず保留のまま。
何か間違っていたのかと気になりましたが、店を出て40分くらい経った頃でしょうか、ようやくスマホのCompleted Chargesに変わって、無事決済になり、ホッとしました。
システムとして万引きされにくい
「レジの店員がいないと、万引きが心配では?」と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
確かに、各種センサーの盲点を見つけることができれば、それは可能になるかも知れません。
しかし、以下の理由で万引きされにくいシステムだと思います。
- 入居した人の名前、住所、クレジットカード情報などが把握されている
- クレジットカードなど、支払い口座が分かっているから、請求も可能
- Amazonのヘビーユーザーほど、アカウント停止になると痛い
私が思うところを書いてみます。
入店した人物が分かっている
最初に、アプリのコードで入店した段階で、どんな人物が入店したかAmazon側で分かります。
普通のコンビニや店舗だと、お店に入ってきたお客さんは、常連さんでない限り、どんな属性の人なのか分かりません。
万引きは、何処の誰か分からないから、問題になります。しかし例えば全国的な有名人や、身分証明書を首からぶら下げていたら、犯人がすぐに分かり、捕まってしまいます。
また、会員登録段階で、クレジットカードなどの支払い情報もAmazon側で持っていますので、後日請求することも技術的には可能でしょう。
もっとも、アプリによるコード無しで入口を突破して入店されると困りますが、私が入店時、案内のためなのか入口には店員さんが1人立っていました。
店内はキャッシュレスですので、現金を目的とした強盗は無いでしょう。
商品を持って行かれたとしても、それほど高額なものはこの店舗には置いてありません。せいぜいワイン位でしょうか。
顔認識技術も?
Amazon Photoや、Google Photo、iOSなどでは、旅行先などで撮った写真を保存しておくと、顔認識技術により、自動で人物ごとに分類してくれます。
Amazon goでも、顔認識技術によって、店を出るときや、店内の移動などを把握している可能性があります。防犯カメラ+顔認識の機能です。
そのため、万引きしたとしても、アカウントに紐付けられて顔が分かってしまうのではないでしょうか。
Amazonのアカウントが凍結されると、普段の生活で困る
Amazon goに入居する人は、Amazonのアカウントを持っている人になります。
Amazonは日本でも人気で、買い物は当然ながら、Kindle、Amazon prime videoやAmazon musicを利用されている方も多いと思います。
そんな、Amazonのヘビーユーザーほど、仮にAmazon goで万引きして、アカウント凍結、停止、脱会、そして再入会禁止なんて事になったら痛いはずです。
このような理由から、Amazon goは、従来の店舗と比べて万引きのリスクが少ないと思います。
在庫管理、商品発注も、自動化のポイント
Amazon goは、レジが無いことが特徴ですが、購入者が手に取った商品の数をカウントするために、商品の在庫状況をリアルタイムで把握してます。
在庫が不足気味になってきたら、自動的に発注するシステムになっていることでしょう。
食品に関しては、鮮度管理もできます。
結果として、レジだけでなく、在庫や発注業務の人員コストも削減できます。
消費者にはメリットだけど、雇用は減ってしまう
今回、Amazon goを利用してみて、簡単な買い物には便利だと思いました。
訪問したAmazon goは 1号店ということもあり、センサー類がかなり多いはずですが、店舗数とノウハウが貯まることによってセンサーは減り、出店コストも下がるはずです。
次の記事によると、シアトル市内の最低賃金は、(企業規模やチップの有無で変わりますが)2018年1月1日より、時給11.5~15.45ドルです。
これが、パートタイプの業務にも適用されるのか分かりませんが、日本より高いですね。
Amazon goでは、レジや発注業務に必要な人件費部分を小さくすることができます。
お店を利用する消費者にとっては便利ですが、雇用は減ってしまいますね。
つい先日、アメリカで大手百貨店のシアーズが破産申告したというニュースが報道されていましたが、その原因のひとつはAmazonなどのネット通販会社にあります。
Amazonはインターネット上の店舗に限らず、Amazon goのような実店舗にも進出してきて、便利で楽しくもありますが、日本国内でも競合の店舗・システムが出てきて欲しいと思います。
シアトルへ特典航空券で行くためには
Amazon goに行くため、あるいはスターバックス1号店に行くため、シアトルに行ってみたい!という方へ、マイラー向けの情報を少し。
日本発着でシアトル(北米)までの必要マイルは以下の通りです。
項目 | ANA | JAL | ||
ローシーズン | レギュラー | ハイシーズン | 通常 | |
エコノミー | 40,000 | 50,000 | 55,000 | 50,000 |
プレエコ | – | – | – | 65,000 |
ビジネス | 75,000 | 85,000 | 90,000 | 100,000 |
ファースト | 150,000 | 150,000 | 165,000 | 140,000 |
JALは、2019年3月31日から、成田~シアトル直行便が就航していますので、行きやすい場所です。
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