2021年7月23日、東京オリンピック 開会式の当日、東京都内をブルーインパルスが飛行します。
飛行時刻は12:40頃より12:55頃です。
東京都心をブルーインパルスが飛行するのは昨年2020年 5月から、約1年2ヶ月ぶりです。
この東京都心におけるブルーインパルスの飛行に関する情報をまとめました。
8月24日(火)の展示飛行について
このページは、2021年7月23日のオリンピック開会式当日におけるブルーインパルス情報をまとめたものです。
8月24日(火)に行われる、パラリンピック開会式当日のブルーインパルスに関する情報は別のページにまとめていますので、こちらをご覧ください。
ブルーインパルスが飛行したのは2021年7月23日(金)
ブルーインパルスが飛行したのは、東京オリンピックの開会式が行われる、2021年7月23日(金・祝)です。
オリンピックの開会式は20:00からですが、ブルーインパルスの飛行は夜間には行われないため、日中に展示飛行が行われます。
展示飛行は、12:40~12:55(確定)
国土交通省関連の日本航空情報業務センターのウェブサイトで、登録さえすれば誰でも、NOTAMと呼ばれる航空情報を閲覧できます。
今回のブルーインパルスの飛行に関する情報も、以下のように情報が公開されています。
FROM 21/07/20 03:20 TO 21/07/23 04:00
D)0320/0400
E)AIR DISPLAY :
1.FLT AREA : AROUND THE LINE CONNECTED BY FLW POINTS
355200N1393140E 354620N1393740E 354122N1394130E
353931N1394444E 354236N1394839E 354122N1394130E
354047N1394254E 354236N1394839E 353931N1394444E
353738N1393729E 353952N1393138E
(FUJIMINO-SHI, FUJIMI-SHI, SHIKI-SHI, NIIZA-SHI,
ASAKA-SHI, WAKO-SHI IN SAITAMA,
NERIMA-KU, NAKANO-KU, SHINJUKU-KU, SHIBUYA-KU,
MINATO-KU, CHUO-KU, SUMIDA-KU, TAITO-KU, CHIYODA-KU
BUNKYO-KU, MEGURO-KU, SETAGAYA-KU, KOMAE-SHI,
CHOFU-SHI IN TOKYO)
2.HLDG AREA : 354620N1393740E (NERIMA-KU IN TOKYO)
3.USING ACFT: T4 X 12(MAX)
4.WX COND : VMC ONLY
5.RMK : FOR FURTHER INFO, CTC JAPAN SELF DEFENCE FORCE
TEL:03-5362-4816
F)2000FT AMSL G)6000FT AMSL
最初の日時は、世界標準時で示されています。
ここに東京の時差、9時間を加えた日時がフライト予定で、日本時間だと7月20日~23日 12:20 ~ 13:00です。
NOTAMから考えると、ブルーインパルスが飛ぶのは、12:20~13:00の間です。
当日23日の11時過ぎにNOTAMを再確認しましたが、変更はありません。
23日の12時34分に、東京都庁 都民広場に聖火が到着するため、このタイミングに合わせてくるのではないかと予想します。
2021/07/23 11:30追記
当日11:30、航空自衛隊のツイッターにより、展示飛行は当ブログの予想通り、12:40頃から12:55頃と発表されました。
聖火リレーの最終参加者は歌舞伎俳優の中村勘九郎さんと発表されています。
なお、このイベントのため、都民広場周辺は交通規制、入場規制がかかりますので、周辺でブルーインパルスを見ようと思っている方はご注意下さい。
19日に入間基地到着
ブルーインパルスは、都心最寄りの航空自衛隊・入間基地に19日に12機が到着しています。
23日の当日も、入間基地を出発して練馬付近から都庁に向かいます。
入間基地を撤収して、松島基地に戻るのは、24日(土)の見込みです。
21日(水)に、展示飛行の予行を実施済み
航空自衛隊のツイッターによる予告通り、本番2日前の7月21日(水) 12:30頃から、展示飛行の予行が実施されました。
予行は通常通りの6機と、周辺や飛行経路の安全確認と編隊飛行の統制及び、空撮を目的とした「全般統制機」1機の、合計7機による飛行でした。
予行はカラースモークではなく白色のスモークで実施されています。
また、飛行ルートは本番より短縮されて、北区や足立区は経由しないルートでした。
NOTAMで申請されたのは、最大12機
申請された飛行機はT-4練習機が 最大 12機となっています。
普段だと6機前後で、今回も基本的に6機だと思います。21日の予行も6機でした。(別途、全般統制機の1機あり)
YouTubeを見ると、2020年3月のものですが、12機(11機+1機)によるカラースモーク訓練の動画もアップロードされており、オリンピックだけに何かあるのかも?と期待してしまいます。
これを東京都内で見ることが出来たら、鳥肌立ちそう。
元の動画はこちら
12機も飛んでくれたら嬉しいですし、そんな機会は滅多に無いでしょう。
私も含めて、この記事をご覧頂いている多くの方の人生で、3度目の東京オリンピックを見ることができる可能性は低いと思います。
機種の数に関わらず、東京オリンピックに関してブルーインパルスが東京都内で飛ぶのは貴重です。
※展示飛行終了後の追記
23日の本番は、本当に12機体制でした。具体的には、6機編隊の2編成。
うち、1編成が都心に入り、もう1編成は予備として待機していたようです。
練馬付近を12機がグルグルして待機している動画がSNSに載っています。
NOTAMによる指定範囲
NOTAMの E)AIR DISPLAYは、展示飛行のことで、その範囲は
埼玉県:ふじみ野市、志木市、新座市、朝霞市、和光市
東京都:練馬区、中野区、新宿区、渋谷区、港区、中央区、墨田区、台東区、千代田区、文京区、目黒区、狛江市、調布市
となっています。NOTAMの指示範囲の東京西側をブルーインパルスの待機場所、編隊を整えるための場所とするのではないでしょうか。
飛行高度は、610m(2000FT)~1,830m(6,000FT)です。
飛行ルート
航空自衛隊の公式ツイッターにおいて、23日当日の飛行ルートが発表されました。
そのルートは以下の通りです。
地図から推測すると、○○区と書かれている丸の位置は区役所の位置のようですので、目印となりそうなものは、以下の建物・施設があります。
- 入間基地を離陸
- 練馬区役所
- 東京都庁
- 渋谷区役所
- 東京タワー
- 東京駅
- 墨田区役所(浅草、スカイツリー)
- 北千住辺りでUターン
- 荒川区役所
- 文京区役所
- 東京都庁
- 吉祥寺の手前、三鷹市周辺でUターン
- 国立競技場(オリンピックスタジアム) 五輪マークを描く
- 四ツ谷・市ヶ谷付近から北上
- 北区役所
- 足立区役所
- 葛飾区役所
- 中央区役所
- 港区役所
- 目黒区役所
- 世田谷区役所(やや遠い)
- 入間基地に戻る
なぜ東京西側からオリンピックスタジアムを通って北上し、足立区まで行くのかな?と思って良く見ると、北区役所・足立区役所・葛飾区役所の近くを飛ぶためのようです。
今回のブルーインパルスの飛行は、東京都の要請によるものですので、多くの区役所上空を通る経路になったのでしょうか。
目印を入れた、飛行ルート
航空自衛隊から公開された飛行ルートの地図を元にして、Google Mapに落とし込んだのがこちら。フリーハンドによる飛行ルートなので、正確さは保証しかねます。(特に、Uターンや方向を変えるときの航路)
NOTAMで指示されている範囲も図示しました。
また、国立競技場を中心に、5つの円を描いてみました。
地図の北側にある足立区役所から、南側の目黒区役所までは直線距離で約18km、東側にある葛飾区役所から、Uターンする三鷹市・調布市付近までは、24kmくらいです。
公開された部分の飛行ルートだけでも、ざっくり100km位あります。
スモークは5色
ブルーインパルスは通常、白色のスモークですが、オリンピック関連ということで、青、黄、黒、緑、赤の5色で飛行しました。
競技場上空で、五輪マークを描く予定
国立競技場(オリンピックスタジアム)の上空では、五輪マークが描かれる予定です。
7月21日の予行でも、五輪マークが描かれました。
2020年3月20日、聖火がギリシャから宮城県に到着したときも、ブルーインパルスによって五輪マークが描かれています。
この時の記事によると、ひとつの円の直径は1,200mだったということですので、東京・国立競技場を中心として、直径1,200mの円を描くと、このようになります。
やはりというか、大きいですね。
なお、予行の時のスモークは、このイラストの五輪マークを時計回りに90度回転した向きでした。
また、位置も新宿寄りでした。
1964年10月10日の東京オリンピック開会式でも、同様にブルーインパルスによって五輪マークが描かれています。
この時は、高度3,000m、直径は1,800mだったと報道されていますので、さらに大きいです。
21日の予行でこの五輪マークを撮影された方も多いと思いますが、ひとつの円が大きいので、会場近くからの撮影では見切れているのがほとんどでした。
真下の場合、超広角レンズでないと全体撮影は難しいかも知れません。
本番で五輪マーク全体の撮影を狙いたい方は、五輪マークの真下ではなく離れた位置からの撮影を検討した方が良いと思います。
ただし、21日の予行は、高度915m(3,000ft)と、NOTAMで示された最高高度1,830m(6,000ft)の半分だったという情報もあります。
21日の予行より23日の本番の高度が高ければ、撮影しやすくなって見ることができる範囲も広がります。
この点については、当日の雲の高さとの兼ね合いもあります。
ふとした疑問。なぜ海外で五輪マークの飛行をやらない?
ここでふとした疑問を持ちました。
東京でのオリンピックは57年ぶりですが、オリンピックそのものは4年に一度。冬季も含めたら2年に一度あります。
五輪マークを飛行機のアクロバットチームが描くのは、物理的には海外の過去のオリンピックでも可能だと思います。
しかし、過去の東京オリンピック以外で、飛行機がオリンピックにおいて五輪マークを描いた情報は調べても無く、記憶にもありません。
ここでひとつの仮定が思い浮かびました。
海外のアクロバット飛行チームでは、使用機種としても連携面での技術としても、五輪マークを描くのは難しくて出来ないのではないかというもの。
海外では練習機でなく、戦闘機を使うチームが多く、速度が速くて小回りも効きません。
海外の空軍などに所属するアクロバットチームで、編隊飛行はどこでもあります。しかし、図柄を描くチームは少ない。
ブルーインパルスは、図柄を空中に描くのが得意なチームとされています。
ブルーインパルスには、五輪マークに似た「さくら」という演目があります。
五つの輪の位置関係は五輪マークと異なりますが、五つの輪を水平面かつ、それぞれが重なるという点では同じです。
ブルーインパルスのパイロットの任期は3年間。ブルーインパルス経験歴10年などの、ブルーインパルス専門パイロットは居ないわけです。
前回のオリンピックから57年間。
五輪マークやさくらの演目の技術を次のパイロットに継承し、3年間の任期を満了し、高い技術を持ったパイロットが全国の基地に戻っていく。
素晴らしい技術の継承システムと、高いパイロットの練度といえるのではないでしょうか。
過去のオリンピックでのブルーインパルス
これまでのオリンピックで、過去に2回、ブルーインパルスが飛んでいます。
1964年(昭和39年)10月10日 東京オリンピック開会式
1964年(昭和39年) 10月10日の東京オリンピック開会式でブルーインパルスが飛んでいます。
この時は、国立競技場上空で五輪マークが描かれました。
この開会式の前日が大雨だったため、元パイロットは「式は中止になると思い込み深酒をした」と記事にありますが、今考えると凄い時代です(笑)
今、民間航空会社のパイロットは、搭乗の12~24時間前を過ぎての飲酒は禁止です。
五輪マークが描かれたのは、赤坂見附上空の高度約3000メートル。輪の直径は約1800メートル。
開会式中での展示飛行だったため、進行に合わせた進入など、調整が難しかったでしょうね。
この時のブルーインパルスの使用機種は、初代機体であるF-86です。
1998年(平成10年) 2月7日 長野オリンピック開会式
個人的には、冬季オリンピックの方が好きな私。長野オリンピックも、いくつかの競技を見に行きました。
長野オリンピックの開会式で、ブルーインパルスが飛んでいます。
しかも、小澤征爾さんが指揮する「第九」の演奏にタイミングを合わせて。
当日は、直前のリハーサルよりも10分遅れて第九の演奏が始まりましたが、ブルーインパルスは見事にタイミングを合わせて大成功でした。
当時の動画をYoutubeで見ることができますが、感動ものです。
この時のブルーインパルスの使用機種は、ブルーインパルスの三代目機種で、現在と同じくT-4練習機です。
T-4練習機の前は、T-2という機種でした。
今回のオリンピックにおけるブルーインパルスの展示飛行でも、当日の展示飛行に至るまでの背景が収録されているでしょう。
いつかその映像が見られる日が来ると思います。
1972年 札幌オリンピックでは展示飛行なし
1972年の札幌オリンピックでは、ブルーインパルスが飛んだという記録は確認できませんでした。
ブルーインパルスから見た、今回の飛行経路
元、自衛隊のF-15パイロットで、現在はボーイングの現役パイロット YouTuber・さんちゃんが、マイクロソフト フライトシュミレーターを使って、今回のブルーインパルスの展示飛行経路を飛行した動画を、7月20日に投稿されました。
ブルーインパルスのパイロットから見える景色をご覧下さい。
先ほどのように、今回発表された経路はざっくり100km位で、これに沿った形で飛行していますが、動画はわずか10分足らずです。
この動画でゆっくり飛んでいるように見えても、時速450~600km程度は出ています。
単独飛行の動画公開の後、さんちゃん+一般参加者による、ブルーインパルスの大編隊がライブ配信されました。ブルーインパルスが12機どころじゃない、大編隊です(笑)
マイクロソフト フライトシュミレーターは、パソコン側に相当な性能を必要とする、重たいことで有名なゲームですが、このゲームのためにゲーミングPCが欲しくなってしまいそう。
現役エアライン パイロットによる、おススメのYouTubeチャンネル
さんちゃんと同じく、元自衛隊のF-15パイロットで、現在は現役エアラインでエアバスのパイロットのJOEさんのチャンネル
現役エアライン機長のRyuさんのチャンネルも、飛行機好きの方はチャンネル登録してみては如何でしょうか。
この3名(さんちゃん、JOEさん、Ryuさん)は、3人で飛んだり、競争したりしている動画もあり、面白いです。
個人的には、さんちゃんとJOEさんで、実際のフライトと同様のチェックを再現した、この動画が興味深いです。漫才を見ているみたい。
私たちが飛行機に乗り込み、ターミナルを離れて離陸し、現地に着陸するまでには様々なチェックがパイロットによって行われているのだと感じることができます。
ブルーインパルスは練習機。後継機問題も。
現在のブルーインパルスに使われているT-4は中等「練習機」です。
つまり、T-4はパイロットを養成するための専用機種です。戦闘機ではなく、武器も積めません。
T-4は運用から30年以上が経過して、運用できる台数も減ってきています。昨年、2020年はエンジン不具合の影響もあり、ブルーインパルスが4機体制の時もありました。
今後のブルーインパルスのことも考えると、そろそろ後継機のことを考えなくてはいけない時期かと思います。
今回の飛行が、後継機問題解決のきっかけになることを望みます。
パイロットの養成は当然ながら、全国で、ブルーインパルスの展示飛行を待っている人のためにも。
沈滞ムードの打開になりますように
新型コロナの影響で何だか国内は沈滞ムード。
マスコミの煽りと、それにまんまと乗ってしまう人がこんなに多いのかと驚きます。
マスコミでは最近、感染者数ばかり報じていますが、高齢者のワクチン接種の効果で、最近の死亡者は激減しており、都内でデータがある最寄りの7日間での死亡者は、わずか4名。
ワクチン接種が進んでいるとされ、ウィンブルドン決勝も満員だったイギリスは、7月21日時点で、7日間平均のコロナによる死亡者は52人。同期間の日本は15人です。(ちなみに日本では、コロナとか関係なく、一日に4,000人近くの方が亡くなります。)
日本の人口はイギリスの約2倍なので、割合で言うと、イギリスの死亡者数は日本の7倍です。
もう少し冷静に判断できないのかと嘆くと共に、マスコミというのは全く信頼出来ないものだと感じる今日この頃。
このままだと、コロナによる死亡者以上に、経済的困窮で困る方、亡くなる方の方がずっと多くなります。
楽しくて盛り上がった、2019年のラグビーワールドカップの時のように、外国からの選手、お客さんをもてなして、盛り上がるオリンピックになるよう、今の沈滞ムードが打開されるといいなと思います。
当ブログのご紹介
これだけ記事を書きながら、私自身は連休中、マイルを使って旅行するため、ブルーインパルスを都内で見れず、ネットの中継で見ていました。
予行の時も空の上で、機内WiFiから飛行に関するSNSの投稿を見ていました。
当サイトは、地上でマイルを貯めて飛行機に乗ることを提案しているブログです。
2015年にマイラーになってから、400万マイル以上を貯めて、300万マイルくらい使ったと思いますが、正直、どれだけ貯めてどれだけ使ったのか正確に分からないくらいになっています。
マイラーについて興味がある方はこちらをどうぞ
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